『 美女と野球 』。

悪ふざけみたいなタイトルですが、中身も悪ふざけみたいなエッセイ本です。

だって書いている人が、そもそも悪ふざけ大好きみたいな人ですからね。
今回ご紹介する本の作者は、今や俳優としても活躍している『 リリー・フランキー 』さんでございます。


このおっさん、いい感じで渋くって好きなんですよね。
小生がこの人を知ったのは、フジテレビがまだ面白いバラエティ番組を量産していたころ。

ココリコミラクルタイプってバラエティ番組があったんですが、そこでひとことぼやくエロ~いダンディなおっさんが、この人だったのを良く覚えています。


それではリリー・フランキーの初のエッセイ集となるはずだった( ”はず”という理由は後で分かるよ! )、美女と野球についてご紹介していきましょう。




  美女と野球 について 

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タイトルは美女と野球となっていますが、別に野球のことなんてほとんど書いちゃあいない。

書いてあるのは、やれ女だ、やれ糞だ、やれ包茎だと下ネタ方面がかなり濃厚!

今でこそ、いろんなドラマや映画、NHKなんかに出演してらっしゃるリリー・フランキーさんですが、うん、やっぱりココリコミラクルタイプのころから変わってない変態親父だ。


ただ文章はかなり読ませるし、面白い。
笑えるエッセイ本なんですが「 クスリ 」ではなく「 コイツ馬鹿だ! 」って方の”笑える”ですね。


ちなみに、この本はリリー・フランキーさんのデビュー作になるはずだったのらしいのですが、めんどくさがりなその性格のせいで( 本人は愚鈍な性格と言っているけれど )なんと、3冊目にして出版される自体に。


やっぱり芸能に関わるヒトって、どっかぶっ飛んでいるもんなんでしょうかね?



 3行でわかる 美女と野球 

とにかく俺は犬がスキだ。それからエロいことがスキだ。仕事の関係でいろいろ変な奴にもあうし、女とヤリタイ放題もやってる!それでいいじゃないか!それが人生ってやつだろう?それとオタクをバカにすんじゃねぇ!

エッセイなんでストーリーも糞もないので、こんな感じだという触りだけ。

いろいろなことに文句を言うというよりは「 俺はこう思ったぜ!ロックンロール! 」みたいに言いたいことを言いたい放題言っている、過激な本で有るということがわかっていただけたらなによりです。

出版された年が1998年、世紀末ということでずいぶんと昔を思い出させてくれる内容になっていますが、なんというか人間の営みってやつは対して変わらねぇんだなぁと。
 

 ちゃんとした あらすじ 

だらしないサービス精神と中途半端な正義感。

見た目ほど口が回るわけでもなく、言いたいことはハッキリ言わないけれど、それでも書かなきゃいけないのが渡世人の辛い所。

ま、僕渡世人じゃないけどね。


ある時は司会の仕事をして( リリー・ママンキーにタクシードをダンボールいっぱい送ってもらったから )。


ある時は本職風のおっさんとフィリピンパブの女性たちと戯れ。


ある時はひきこもりの双子に「 で、君オ○ニーとかするの? 」とか聞いちゃう常識では計り知れない男が、このリリー・フランキーなのである。


学生時代は先輩に女子のブルマを盗まされたり、友だち同士で○ン毛を見せ合い、毎日友だちの○ン毛発育状況を確認したりとまぁとにかくハチャメチャな男なのである。

そんな男が自分勝手に、社会に刺身包丁を突き刺すかのように自分勝手に語るエッセイが面白く無いわけがない!

エログロナンセンスな昭和の香りがするエッセイ、それが『 美女と野球 』なのだ。

 

 作品感想 

ここまで下品なエッセイも珍しいね、というのが本書の感想。

うん、まぁ、なんていうかコメントに困る内容が多くてホント困るw


中には「 オカンがガンになった 」とか深刻な話もあるんですが、そこらへんも軽快というよりは、おふざけ満載な語り口で語られているから疲れずに読めるし、不思議なんだけど元気になれる!

あーこういうアホな考え方もあるのかーって思わせてくれるし、チョイチョイキツ目のボールも放って来るんだけど、それも抵抗なく読ませてくれるのはスゴイと思ったね、うん、この人みたいな文章を書きたいとも思った。

特に小生が気に入っているのはアイドルオタクとアイドルとの関係を書いた「 アミーゴたちと走った日々 」って話で、一昔前のアイドルブームにどっぷりハマったオタクたちのお話だったけれど、なんつーかオタクのプライドみたいなもんを感じたアツイ話だった。


この本で語られるアイドルオタクたちは、アイドルに対して情熱を持っていたし、かなり迷惑なこともやっていたけれど、アイドル音楽に対しては一生懸命な奴も多かった、らしい。



一昔前のアイドルオタクたちは、人生のそのほとんどをアイドルにつぎ込み、自分の人生なんてものはおまけにしか過ぎないような生活を送っていた!……らしい。

どこまで本当なのかはらないけれど、この話はとても印象深く小生の中で残っている。

そういやオタクって気持ち悪がられたけど、それでも知識だけは凄かったよな~ってこの話を読んで古き悪き、今も悪きオタクたちのことを思い出してしまった( かくいう小生もオタクだが )。


 

 グッときた一言 

ボクもなまじ常識があるためになんで側で苦労することが多く、いつかは”そーなんだから側”に行きたいと思っているのだが、先日、前述の編集長に「コスモポリタンの時代だよな」と言われ、また「なんで!?」と答えてしまったのでした。

世の中、生きていると何かしら「 なんで!? 」と聞き返してしまいたいことが多々ある。

うちら、フリーライターの仕事なんて「 なんで!? 」と言ったが最後「 あ、別に仕事しなくてもいいからね? 」と言われかねない弱い立場で、とにかく相手に同意して「 そーですねー 」とか「 わかりましたー 」と言うしかないわけであります。

ただ、こう仕事をふる側は楽なものこっちが「 なんで!? 」と思っても「 そーなんだからしょーがないじゃん 」で済まされてしまう、うぅ、気楽に言ってくれるよ、全く。


まぁこういうのって日本人社会に多い!

上司に「 ○○だからやっといて 」とか「 残業代でないから 」とか言われても「 なんで!? 」と聞くのはどーしてもハバカラれてしまうのが悔しい!

できれば小生だって気楽に「 そーなんだからしょーがないじゃん 」側に回りたいんだけど、こればっかしは金と権力がないと無理。

小生もいずれは気持ちよさそうな革張りの椅子に座り、いたいけのない女子OLとかに偉そうにふんぞり返って「 そーなんだからしょーがないじゃん 」と言ってあれやこれや無理難題を押し付ける側になりたい!

一生無理だろうけど……。

 

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下品すぎるエッセイだったけど、なんかそこがツボる。

歯に衣着せぬどころの話じゃなく、ナイフにガソリンつけて火を燃やす的なとにかくやたらに斬りかかるスタイルは嫌いじゃないぜ!

一応常識の範囲内で、いろいろと書かれてはいるけれど1990年代の日本っていろいろヤバイ人も多かったという事実が如実に書かれているのは結構面白かった。

昔はいたんでしょうね、外国のお姉さん連れ回して金稼いでた下品な野郎が。

今ほどじゃないけど、ヤのつく職業の人も生きやすかったんだろうね、この時代は。

マナーとか、人に対する思いやりとか、今の若い子はないって言うけど、この年代のオッサンも体外やろう。


今でこそ団塊世代がのマナーとかが問題になっているけれど、昔のおっさんにマナーとかそんなのはほとんどなく、今昭和だ明治だ開国だと「 昔の人はこんなに凄かったんだよ~! 」ってポジティブキャンペーンやってるけどそんなわけあるかい!

昔の方が人が優しかったって言うのも嘘で、昔はおおらかだったというのも嘘。

だいたいオタクが気持ち悪いから、ってイジメの対象になってる時点でお察しってもん。

そういう美化されていない昭和史のエグいところが書かれているのが、このエッセイの面白いところだ。


まだ携帯電話もインターネットもない時代で、如何にして裏街道をひた走る普通のサラリーマンではないおっさんたちは生き、如何にして生き残っていたのか、その歴史を垣間見たいという方は読んでみるといいかもよ?

 作者について 

リリー・フランキー
日本のマルチタレントで何やっているのかよく分かんないオッサン。
母親との半生を綴った、自身初の長編小説『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』が大ヒット。

主な著書に『 女子の生きざま 』『 おでんくん 』などがある。

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