第1回目ということで、小生のバイブルとなった小説をご紹介したいと思います。

それが「 人間失格 」。 私の青春時代のバイブルというと、どんだけ暗い青春を過ごしていたんだよって思われそうですが、まぁ、あんまり明るい人生は過ごしてませんね。

むしろ、日陰街道まっしぐらの人生を歩んでまいりました。

鬱々とした青春を過ごしていた小生、人間失格の主人公「 葉蔵 」に自分を重ねて生きてきましたよ。

うわ、暗ぇ俺の人生!

でも、  どうせなら葉蔵のようにモテモテだったらよかったんですけれどねぇ……。


人間失格について

大人の読書感想文-01-01


日本の文学史にさんさんと輝くベストセラー、人間失格。

デスノートで有名な小畑先生が表紙を描かれたことでも話題になりましたが、ちなみに人間失格の売上ってどれぐらいかご存知でしょうか? スゴイっすよ、新潮文庫だけでも累計600万部以上。

いろんな出版社から出版されているので、いったい合計いくら売り上げているのかわかりませんが、もしかすると日本で1番売れている小説かも?

そんな小説を読んでないなんて、もったいない。 とにかく一読するだけの価値はあるから、読んでみてよ!


3行で分かる人間失格のあらすじ

主人公の葉蔵は子どもの頃からモテモテ。でも人間不信がヤバイ、 下女に犯される。
お道化ばかりが上手くなって、さらに人間不信が加速酒と女に溺れ自殺未遂でどん底に。
処女と結婚するもNTRされ、絶望のあまりヤク中に精神病院におくられて、最後廃人となる。


ちゃんとした人間失格のあらすじ

ある男が戦災後に立ち寄ったバーのママに3枚の写真を見せられる。

1枚はサルのように笑う少年。 もう1枚は不思議な美貌の青年。 そして最後の1枚は不吉なにおいのする写真。

その3枚の写真は「 葉蔵 」という1人の男の人生を切り取った写真だった。 幼少時代から他人を恐れ【 道化 】と呼ばれる他人への求愛だけが上手になった少年はやがて主体性の無さからつぎつぎと自らを不幸へと追いやっていく。


『 恥の多い生涯を送って来ました。 』 と語った彼の醜くも悲しい人生とは?

作品感想

ずいぶんと昔の作品ではありますが、この小説の美しさはその醜い主人公の生き様にあると小生は思います。

『 恥の多い生涯を送って来ました。 』とありますが、本当に恥が多いというのは「 一般常識がない 」とか「 いい歳なのにも関わらず感じが読めない 」とか言うことだと思うんですよね。


だって、この主人公の”恥”って恥のレベルじゃないから!


なんつーっか救いのない小説ですよね、これって。 思春期をこじらせて女にモテまくって。 酒に溺れて、ヤク中になって……。

あ、こう書くとろくでもない小説みたいですよね( 笑 )。


確かに読む人が読めばろくでもない主人公の自叙伝なわけですが、そこがどうにも心を惹きつけるんです。 モテない男の人生からすれば、モテモテの人生なんて羨ましい限りですが、モテる男にはモテる男なりの苦労があるんでしょう、わからんけれど。


グッと来た一文

「 弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです。傷つけられないうちに、早く、このまま、わかれたいとあせり、れいのお道化の煙幕を張りめぐらすのでした。 」
葉蔵が転げ込んだ子持ちの女性の先で葉蔵が思ったことですが、今まで不幸な生活を続けた葉蔵だからこそ感じる不幸なものが幸福な人間を傷つけてはイケナイという自己犠牲から出た言葉でした。

弱虫=葉蔵は今まで自分が数多くの人を不幸にしてきたからこそ、この幸せが怖かった。 そう思うと、彼の人生って本当に可哀想な人生ですよね……。


アナタも一冊読んでみない?

好きな人、嫌いな人で大きく評価が別れる小説だと思います。 小生は好きですが。

でもさあ、読書感想文とかには絶対に向かねぇよなぁって思うんです。

子どもがね、この小説読んでどう思うんだろうって?
「 雪国 」も文学小説の顔をかぶったエロ小説だったし、この小説だってアル中とヤク中がでてくるし、左翼がーとか、自殺がーとかネガティブ過ぎ!

でも大人になって読んでみると、この作品の良さがわかるんです。


まだ読まれたことが無いという方は、ぜひご一読されてみてはいかがでしょうか?


作者について

太宰 治 昭和11年最初の作品集『晩年』を刊行。 昭和23年に玉川上水で入水自殺。

彼の死は多くの人に衝撃を与えた。 代表作に『走れメロス』『津軽』『お伽草紙』『斜陽』『人間失格』などがある。

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