BOOKOFFによってずいぶんと古い本を仕入れてきました。

1999年発行の『 フリーライターになろう! 』。

当時のフリーライターの生態と共に、今も変わらないフリーライターという生き物がわかる一冊。


この本の内容を一言で語るなら「 現実は甘くない 」ということのようです。

そこら辺は、後で詳しく書きますが……。


まあ、今も昔もフリーライターとか在宅ライターとかを目指す人は、表街道は歩けない人間が何かを伝えたいという思いだけで、なんとかえっこらよっこら生きているというのが、今も昔もフリーライターという存在のようです。

でも、今のご時世ふつうに働いていてもまともに生活できるかどうかはわからん。

ボーイズ・ビー・アンビシャス!
少年よ大志を抱けとはよく言ったもので、とりあえず「 誰かに何か伝えない! 」という思いがフリーライターとして生き続けるだけの理由になるのです。


あぁ確かに、思い当たるフシが……。


   フリーライターになろう! について 

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この本が発行された1999年代。
ノストラダムスがどーのこーのとか。

世はまさに世紀末とか。
.
オカルト全盛期で今じゃ信じられないぐらい、UFOや心霊特集がテレビで取り上げられていた時代。

そういえば、インターネットも無かったなぁ……。


IT技術の発展により、地方でほぼニートみたいに暮らす小生でもなんとかライターとして生きて行けるんだからイイ時代になりました( 遠い目 )。


さて、この本の内容は1999年代のライターとして働く方々の悲喜こもごもを、実際にフリーライターとして生きている中村堅太郎先生が書かれたエッセイです。


この本を読んでわかったこと。それは

現代に生きててよかった!

[ 3行でわかる  フリーライターになろう! ]

フリーライターの仕事は楽じゃない、軽い気持ちならやめとけ。
それでもフリーライターになりたいなら文章能力は役に立たない!
必要なのは行動力と一般常識だ!


フリーライターというとアウトローの代名詞みたいなところがありますよね。
たしかに東京でブイブイ言わせている本当のフリーライターさんは、一筋縄じゃいかない人が多いような。


まぁ、それぐらいの図々しさがないと生きていけないのが出版業界というものですが、その出版業界の中で傭兵よろしく必要なときだけ使われて、要らなくなったらポイ、ですよポイ。



そういう状況を考えると、決してフリーライターはイメージされているように楽な仕事じゃありません。


給料だって不安定だし、どんな仕事も断れない。

うん、今からでも転職したい。


それでも小生のような文章を書くことだけはやめられなかった甲斐性なしのロクデナシはフリーライターとしてしか生きていけないのです。


そして、おまんまを食いつなぐためにはクライアントに好かれなくっちゃいけない。

クライアントの信頼を獲得するために、高飛車な態度では生きていけないのは、どの世界でもおんなじなのです。


う~ん、ライターとして働きやすくなったとは言え、厳しい現実は今も昔も変わらないようだぞぉ……。

 

 ちゃんとした あらすじ 

フリーライターになるためには資格も資産も必要はありません( 1999年当時の話しね )。

裸一貫から働くことができる気楽に見えるお仕事、フリーライターはイメージほど楽じゃない。

完全な実力主義の世界であり、お手軽なフリーライターになるコースなんてものは存在しない、まさしく蛇の道は蛇みたいな行き方をする人が集まる掃き溜めのようなお仕事がフリーライターという仕事なのである。


そして、意外に思われるかもしれないが、フリーライターとして生きるのに大切なのは文才よりも常識。


今はネットで気軽にWEBライターの仕事がありますが、1999年まではフリーライターの主戦場は東京。

現在も出版社の多くが東京に集中しているように、本格的にライターとして食っていこうと思うなら、東京に出ることは必須なのだ!

で、良い文章さえかければ生きていけるかのように思われがちなフリーライターのお仕事ですが、多くの仕事は力技。


取材して、文字書いて。

取材して、リライトして。

また取材して。


その結果、なんとか食うに困りつつも生きているのが当時の( もしかしたら今も? )フリーライターという悲しい生き物なのです!

まぁ、でも誰でもなれるフリーライターには、いくつかのルートがあり、本気でフリーライターになりたいなら、この本を読めばそのルートが分かる……というのが本書の内容であります。

あくまで1999年の時の、というお話ですがこの業界は今も昔もあまり変わっていないような。

ただネットで小生のように似非フリーライターとして生きることはできるようになっているので、フリーライターのハードルは低くなったのかも? 



 

 作品感想 

今も昔も虐げられる人々がいるということです。

弱小ライターなんて虐げられるのが好きなMな人しか続かないようなお仕事でしょう。

幸いなことに、出版社関係の仕事は多くない小生ですが、不況になりつつあった1999年代のフリーライターは今よりも苦労が多かっただろうなぁ……と同情します。

今だって、クラウドサービスとか使って仕事しているライターは「 数こなしてナンボ 」みたいな世界で値段に見合わないような金額で働いているわけです。

現在進行形でネットで
ライターとして働く人の多くは主婦なんじゃないかな?

東京の出版社でフリーライターとして働く人は、今も昔も癖のある人ばかりだろうけど、そういう人はこの本を地で行っているらっしゃるハズ。

ただ、今は取材ができるだけじゃなくって、写真がとれなきゃダメ出し、最低限のパソコン作業( フォトショップとかイラストレーターとか )が出来なきゃだめだから、若干難易度は高めかも?

ただネットがこれだけ普及してきて「 ライターやってます 」って人よりも、格段に読ませる文章を書く人が増えてきたことを考えると、フリーライターという形は変わっていくのかも知れませんね?


 グッときた一言 

フリーライターにだけ許された権利というのは、貧乏になる自由を選択できるということだ。朝の”通勤電車”で荷物のように運ばれていくサラリーマンというのは、あれは「貧乏に成り損なった」人たちなのです。


実はこれ『 フリーライターになろう! 』の最後の一文なのですが、この文章だけでも「 この仕事は金にならねーぞー 」というオーラがぷんぷんしているのがお分かり頂けるだろうか。


確かに小生だって、やり直せるなら小学生からやりなおして、いや生まれる前から、いや精子の段階からやり直して「 強くてニューゲーム 」  みたいな状況で生きていたいものです。


うん、もしそんな人生だったら、この仕事はしないな、絶対。


でも、なんの因果かこれでなんとか飯が食えているんだからしょうが無い。


そう、俺は貧乏を選んだのだ!

そう言って胸をはるぐらいしか負け犬は生きていけないのだ。
しかし、いつまでも負け犬でいるつもりはないけどね……。


 

 あなたも読んでみませんか? 

フリーライターを志す方は、昔の本なので、あまりあてにはなりませんが、ご一読されることをおすすめします。

何にしても著者である中村堅太郎先生の、語り口が良い。

さすが古くから文章を書いて生きているだけあって、脂が乗っている文章で読んでいると気分が良くなる。


確かに悲壮感たっぷりのフリーライターのお仕事なんてものは語れるんだろうけど。

あえて明るく生命力にあふれた文章を記されていることから、この人の強さが分かります。


また、合間合間に収録されている当時の女性フリーライターの実像が、これまた悲惨ながらもユニークで面白い。


「 あの時代ってこうだったな~ 」と思い返しながら読んでみると、発見がある、そんな本。


大人しいエッセイとは違う、いぶし銀のギラギラとした文がお好きという方は、一読されてみてはいかがでしょうか?


 作者について 

中村堅太郎
1942年福岡県生まれ。週刊誌記者を経て、編集プロダクションに籍を置き、雑誌、広告の仕事に携わるが、92年より執筆に専念しフリーライターという茨の道へ。

主な著書に『 郷に入って、郷に屈せず 』『 素適を売る納得!を頂く―4LDKの達人「ナイス」の考え方 』『 素適商売十四話 』などがある。


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